―すべての働く人々のために―
小川 誠子 著
A5判並製/176頁/ISBN978-4-910917-16-0/C3037 2024年9月10日刊行
定価2,200円[本体2,000円+税10%] 人言洞ウェブで購入
[著者]
小川 誠子 青山学院大学コミュニティ人間科学部教授
内容紹介
本書は,ワーク・ライフ・バランスについて学ぶ大学生・大学院生や生涯学習・社会教育に携わる関係者,さらに企業においてワーク・ライフ・バランスやダイバーシティ&インクルージョンの推進を担っている関係者に最適なテキストです。
日本および諸外国での政策や取組を系統的に示し,具体的な事例をあげながら丁寧にわかりやすく記述しています。
すべての働く人々それぞれの立場に立って,これからの日本におけるワーク・ライフ・バランス社会の実現と生涯学習の充実を考えるための基礎的な知識と今後の課題を提示しています。
目 次
序 章 なぜ,ワーク・ライフ・バランスに目を向けるのか?
1 ワーク・ライフ・バランスとは
2 ワーク・ライフ・バランスに注目する理由
3 なぜ今,ワーク・ライフ・バランスが必要なのか
4 諸外国におけるワーク・ライフ・バランスをみる必要性
5 本書の構成
第1部 ワーク・ライフ・バランスの源流をたどる
第1章 日本企業におけるキャリア開発の概念とその展開
1 キャリア開発―ワーク・ライフ・バランスのはじまり―
2 キャリア開発の沿革とその背景
3 日本企業におけるキャリア開発の諸相
4 キャリア開発研究の展望
第2章 キャリア発達理論の生成とその展開―キャリア開発との関連で―
1 キャリア開発の教育学的な考察をめざして
2 キャリア発達の概念
3 キャリア発達の諸理論
4 キャリア開発研究の新たな方向と今後の課題
5 概念の整理
第2部 ワーク・ライフ・バランスの現状を探る
第3章 ワーク・ライフ・バランスの概念とその展開―国の施策を手がかりとして―
1 キャリア開発からワーク・ライフ・バランスへ
2 ワーク・ライフ・バランス施策の生成と展開
3 ワーク・ライフ・バランス概念の意義
4 ワーク・ライフ・バランス施策の今後の役割
5 企業におけるワーク・ライフ・バランスの取組を捉えていく視点
第4章 ワーク・ライフ・バランスの取組に関する考察―大企業を中心として―
1 3 つの側面からみる企業のワーク・ライフ・バランス
2 次世代育成支援対策推進法が企業に与えた影響
3 ワーク・ライフ・バランスの取組状況の一端
4 ワーク・ライフ・バランスの取組を妨げるコストの問題
5 取り組むべき今後の作業
第5章 ワーク・ライフ・バランス施策の検証―育児休業制度と育児休業取得率の観点から―
1 ワーク・ライフ・バランスのコアに迫る
2 育児休業にかかわる制度の変遷
3 育児休業取得率の推移
4 育児休業取得の壁
5 ワーク・ライフ・バランス施策の検証
終 章 ワーク・ライフ・バランスと生涯学習
1 すべての働く人々を対象としたワーク・ライフ・バランスをめざして
2 ワーク・ライフ・バランスと学び
3 ワーク・ライフ・バランスと地域活動
4 ワーク・ライフ・バランスとボランティア活動
5 すべての働く人々のために―議論すべきこと―
補 論 実社会のリアルな実態や課題
1 誰にでもある「アンコンシャス・バイアス」
2 女性活躍推進法とは何か
3 男性の育児休業
巻末資料 より深く学ぶために
1 諸外国におけるワーク・ライフ・バランス
2 少子化対策の取組
3 研究・実践に役立つウェブサイトや文献
執筆者紹介
[著者]
小川 誠子 [序章・第1 ~ 5 章・終章・巻末資料]
青山学院大学コミュニティ人間科学部教授
愛媛大学教育学部卒業後,日本航空株式会社入社(国際線客室乗務員)。その後,大学院に進み,1998年東京大学教育学研究科博士課程単位取得満期退学。東洋大学文学部教育学科助手,ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ・バンクーバー)客員研究員を経て,2023年4 月より現職。専門分野は,社会教育学,生涯学習論,ワークライフバランス論。主要著作:『生涯学習の基礎』(共著,学文社,1998年)『生涯学習をとりまく社会環境』(共編著,学文社,2003)『生涯学習の基礎〈新版〉』(共著,学文社,2011)など
[執筆協力]
大原 奈緒 [補論1 ]
株式会社日本能率協会マネジメントセンター HRM コンサルタント
学習院大学文学部卒業後,大手専門商社企業にて,法人営業,商品販売企画,営業企画業務に従事。その後,株式会社wiwiw にて,D & I 組織変革コンサルタント,セミナー講師,マーケティング,事業戦略と多岐に活動。2022年グロービス経営大学院(MBA)修了。現在は,企業研修講師,コンサルタントとして活動中。
佐藤 歩美 [補論2 ]
株式会社wiwiw 代表取締役社長
立教大学文学部卒業後,メルボルン大学大学院でコンピューター支援型言語学習学(CALL)の修士号取得。株式会社ネットラーニング(株式会社wiwiw のグループ会社)でグローバル人材育成事業などに携わったあと,株式会wiwiw に移籍。DEI 推進や女性のキャリア形成を後押しするさまざまなサービスの開発に従事。2023年より現職。
寺西 知也 [補論3 ]
株式会社wiwiw 常務執行役員
立教大学コミュニティ福祉学部卒業後,介護ビジネス会社へ入社。2012年,株式会社wiwiw に入社し,企業に対するDEI,女性活躍推進におけるコンサルティング支援や調査・分析の企画・設計のほか,経営層,人事,当事者向けのセミナー講師として講演や研修を担当。2012年に厚生労働省から委託された「平成26年度仕事と介護の両立支援事業」では,プロジェクト・リーダーとして企業向け「実践マニュアル」を作成。2023年より現職。
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