書籍案内

DX時代の人づくりと学び

降旗信一金馬国晴・加納寛子・佐々木豊志 編著 
A5判並製/160頁/ISBN978-4-910917-01-6/C3037
定価2,200円[本体2,000円+税10%] 2022年12月20日刊行:絶賛販売中
                                     

[編著者]
降旗信一  東京農工大学農学部教授
金馬国晴  
横浜国立大学教育学部教授
加納寛子  
山形大学基盤教育院准教授
佐々木豊志
 青森大学総合経営学部教授/学部長/観光文化研究センター長
[著者]
長濱和代  日本経済大学経営学部教授
高橋洋行  立正大学社会福祉学部准教授
田開寛太郎 
松本大学総合経営学部講師
岩本 泰
  東海大学教養学部教授
菊池 稔  名寄市立大学保健福祉学部講師

 本書は,コロナ禍(パンデミック)を契機として社会全体がDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用をせまられる今日,教育にかかわる人々がどのようにこの現状と向き合い,どのような方向でこれからの教育のあり方(人づくりと学びの革新)を展望すればよいのかを提起することを企図しています。
 「幸せに生きる(グッドライフの)ための機会と可能性」を目指すDX(情報通信技術を活用した革新)時代の人づくりと学びのあり方を,環境教育,社会教育,教職教育にかかわる筆者が先行研究の蓄積の上に得られた最新の知見に基づき,学校,企業,大学,公益団体,社会教育施設,行政などの関係者に向けて,わかりやすく解説しています。
 本書を通じて従来の学校教育,社会教育,企業の人材育成の枠組みを超えた新たな学びと人づくりのビジョンと方法を示すことで,来るべき時代の再創造・再構築に向けた独自の役割を果たすことを願う一書です。

目 次 
 序 章 DX時代にいきる人づくりと学びの創造―本書の目的と構成 
  1 「DX 時代」という言説
  2 人づくりと学びの革新
  3 「学校」と「地域」の新たな関係づくり
  4 人づくりと学びの革新を誰が担うのか
  5 本書の構成           
 第1部 DX時代の学校に求められる人づくりと学び                         
 第1章 学校に求められるDX時代の人づくりと学び
  1 教育のDX が進まない要因は何か
  2 DX 時代の人づくりに必要な条件とは
  3 ネット社会の欺瞞と正義
  4 DX 時代の人づくりに必要な授業例
 第2章 DX時代のカリキュラムと道具としての通信端末
  1 個々にこもらず人とかかわり合う協働の活動を
  2 活動理論の活動システム図とそのメリット
  3 活動システムのモデル図と各要素
  4 道具を端末とした場合の注意点
  5 2つの面での矛盾
  6 ソフトを詰め込んだ道具箱
  7 どんな活動にまで拡張しうるか―ノットワーキング
  8 教師教育と,生活世界からシステムを変える課題へ
 第3章 DX時代の総合的な学習と探究の実践
  1 「グッドライフ」のための人づくりと学びをめざした実践
  2 探究の理論をつくる「PC×R サイクル」
  3 振り返り(リフレクション・×R)を重視した実践例
  4 テキストマイニングツールを活用した分析
  5 DX 時代における教員の探究と学びのつながり
 第4章 DXとポストコロナの人づくりと学びの実践
  1 学校教育におけるICT 機器導入に関するOECD の動向
  2 フランスの学校教育におけるICT 教育導入とキー・コンピテンシー
  3 教科のカリキュラムとICT 教育との横断的つながりとその構造
  4 DX 時代の公教育における責任と義務
 第2部 DX時代の社会とつながる人づくりと学び                              
 第5章 社会教育に求められるDX時代の人づくりと学び
  1 誰もがいつでも・どこでも学ぶことのできる意味
  2 社会教育は新型コロナにどう向き合ったか―各施設の状況
  3 ニューノーマルに対応する社会教育施設の機能と展開
  4 データやデジタル技術を活用した地域づくりと学びの価値創造
  5 社会教育における人づくりと学びのあり方と展望
 第6章 DX時代を生き抜く社会教育実践と課題
  1 社会教育におけるICT 活用の現状と課題
  2 全国各地に広まるオンライン公民館実践
  3 新型コロナ発生後の公民館の新たな模索―東京都多摩地域の取り組み
  4 DX 時代を想定した社会教育の可能性と課題
 第7章 DXを活用した大学と市民・企業との共創の実践
  1 DX を活用した大学と市民・企業との共創を考える
  2 住民・市民と教職履修学生の協働による教育資源調査
  3 中小企業と教職履修学生の協働による教育資源調査
  4 DX を活用した大学と市民・企業との共創の実践に向けて
 第8章 学校と地域社会の連携とDXの可能性
  1 DX を活用した「遠隔教育」―学校と地域社会をつなぐ
  2 遠隔教育による遠隔「地」・遠隔「知」教育
  3 大学による新しい授業の取り組み―神奈川と福岡をつなぐ
  4 学校と地域社会の新たな連携可能性
 第9章 体験とDXをつなぐ新しい学びの構築
  1 「デジタルトランスフォーメーション:DX」と「生きる力」
  2 DX時代にこそ求められる体験から学ぶ「生きる力」

執筆者紹介
降旗 信一[編者:序章・第7章]
 東京農工大学農学部教授。社団法人日本ネイチャーゲーム協会理事長,カリフォルニア州立大学ソノマ校客員研究員,鹿児島大学産学官連携推進機構特任准教授,東京農工大学農学部准教授を経て現職。主な著書『持続可能な未来のための教職論』編著(学文社,2015)
金馬 国晴[編者:第2章]
 横浜国立大学教育学部教授。主な著書『カリキュラム・マネジメントと教育課程』編著(学文社,2017),『戦後初期コア・カリキュラム研究資料集』〈全17巻〉編集代表(クロスカルチャー出版,2018-2022),『学びを創る・学びを支える』共著(一藝社,2020),『総合的な学習/探究の時間』編著(学文社,2020)
加納 寛子[編者:第1章]
 山形大学学術研究院准教授。東京学芸大学・同大学院修士課程修了,早稲田大学国際情報通信研究科博士課程満期退学。主な著書『ケータイ不安』(NHK出版,2008),『情報社会論』(北大路書房,2007),『チャートで組み立てるレポート作成法』(丸善,2010)他。高等学校普通科[情報]の文部科学省検定教科書執筆。文部科学大臣表彰(理解増進部門)受賞
佐々木 豊志[編者:第9章]
 青森大学総合経営学部教授/学部長/観光文化研究センター長。筑波大学体育専門学群野外運動学専攻(体育学士),宮城大学大学院事業構想学博士後期課程修了(事業構想学博士),くりこま高原自然学校設立(1996),2017年から現職。主な著書「環境社会の変化と自然学校の役割」(みくに出版,2016),「環境教育辞典」執筆担当項目〈野外教育・冒険教育・Cゾーン〉(教育出版,2013),「震災体験から立ち上がりESDを実践する自然学校」 (日本環境教育学会『環境教育』vol.23-3,2016)
長濱 和代[第3章]
日本経済大学経営学部教授。小学校教諭,筑波大学大学院修士課程,東京大学大学院博士課程を経て現職。主な著書『ヒマラヤの森はなぜ守られたのか―インド・ウッタラーカンド州における森林パンチャーヤトの資源管理』(九州大学出版会,2022)
高橋 洋行[第4章]
立正大学社会福祉学部准教授。松山東雲短期大学,こども教育宝仙大学を経て現職。主な著書・論文『思考力を育む教育方法』共著(黎明書房,2022),「フランス市民性育成に見る文化的中立性と多文化主義―1990年代に始まる新たな公共性理論の展開と学校教育との関連」『比較教育学研究』40(東信堂,2010)
田開 寛太郎[第5章]
松本大学総合経営学部講師。専門は環境教育,自然共生システム,観光産業。主な論文:「中山間地域における公衆浴場の経営と利用実態に関する研究―長野県飯田市遠山郷かぐらの湯を事例に」共著『地域総合研究』(松本大学,2022),「コウノトリの野生復帰における『共生』概念の変遷」『環境共生』(日本環境共生学会,2022)
菊池 稔[第6章]
 名寄市立大学保健福祉学部講師。専門は自然保育,環境教育,防災教育。主な論文「地域に根ざした教育としての森のようちえんの可能性―鳥取県八頭郡智頭町森のようちえんまるたんぼうを事例にー」(共生社会システム学会, 2021)
岩本 泰[第8章]
 東海大学教養学部教授。有明教育芸術短期大学兼任講師を経て現職。東京都板橋区 環境教育推進協議会委員。主な著書『知る・わかる・伝えるSDGs Ⅲ』共編著(学文社,2022)『SDGs時代の学びづくり』共編著(明石書店,2021)他。

読者の皆さまへ
 本書は、情報技術の有効な活用を積極的に取り入れるともに、これまでに培われた「体験」や「探究」といった教育手法の叡知を融合した広義の教育(人づくりと学び)を模索する論考で構成されています。第1部では学校教育での実践事例を中心に紹介し、また第2部では地域社会における生涯学習として、民間の企業等での人材育成や学び直しの場でも参考になる事例が紹介されています。
 学生たちが教職養成課程や社会教育主事・社会教育士の養成課程で学ぶ教科書として、また既に学校や社会教育施設等で活動する実践家へ向けた啓発書として、DX時代の教育(情報技術を生かした人づくりと学びの革新)を担う人々に欠かせない新たな視座を提供しています。 
 学校間と大学/学校と社会/公共と民営といった既存の組織や構造、枠組みを見直し、不易で大切な技術を継承しつつ、新たな技術を取り入れたスパイラルな連続性と連携、融合、協働によるDX時代の教育を模索することが求められたいるのではないでしょうか。

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