書籍案内

専門職として成長し続ける教師になるために

  ―教職詳説―
山﨑準二・紅林伸幸 編著        
A5判並製/216頁/ISBN978-4-910917-10-8/C3037  2023年12月15日刊行
定価2,420円[本体2,200円+税10%]            人言洞ウェブで購入

[編著者]
山﨑 準二 学習院大学教授
紅林 伸幸 常葉大学教授
[著者]
金子 真理子 東京学芸大学教授
栗原 崚   学習院大学助教
長谷川 哲也 岐阜大学准教授
川村 光   関西国際大学教授
羽野 ゆつ子 大阪成蹊大学教授
大島 真夫  東京理科大学准教授
中村 瑛仁  京都教育大学講師
酒井 郷平  常葉大学講師
望月 耕太  神奈川大学助教
髙谷 哲也  鹿児島大学准教授
三品 陽平  愛知県立芸術大学准教授
油布 佐和子 早稲田大学教授

 昨今,学校・教職は「ブラックな職場・労働」であるかのようなイメージばかりが膨らんで,教職志望者数の減少と若者の「教職離れ」が生じている。
 しかし,たんに子どもが好きであるとか,恩師との楽しい思い出の世界に惹かれてとか,安定した給与と身分保障があるなどといった次元を超えて,次第に厳しくなる労働環境の現状をしっかりと認識したうえで,それでもなお状況改善を志向しつつ,子どもの成長にかかわり,子どもの成長を支え促していく仕事にやりがいと生きがいを感じ,自らもまた教育専門職者として,人間として成長していくことを追求したいと考えている若い「未来の教師」たちがいる。
 本書は,かれらが養成・採用・研修と続く40年余りにわたって,教育専門職者にふさわしい発達と力量形成を遂げていくための教育学的な知見と展望を提示する。
《大学での教職課程テキストの最新版として最適!!》

目 次
 はじめに―教職をめざす人のために〈本書の利用の仕方〉
■第1部 専門職としての教師になる                        
1 公教育のなかの教師
  1 現代日本の公教育は,どのような理念のもとで営まれているのか?
  2 公教育には,構造的にどのような問題があるのだろうか?
  3 公教育のなかで教師には何ができるのか?
2 令和の高度専門職としての教師―聖職者論,労働者論を超えて
  1 教師であるあなたは聖職者か,それとも労働者か?
  2 教師に求められる専門職性とは?
  3 教師には専門職としてどのように判断することが求められるのか?
3 教員養成制度と教師をめざす人の学び
  1 戦後教員養成制度における戦後とは何か?
  2 「大学における教員養成」は訓練なのか教育なのか?
  3 教師をめざす人の学びを支える制度とは?
4 教師のキャリア形成と「学び続ける教師」―40年間を通した教師の発達
  1 教師として備えるべき専門的能力とはなんだろうか?
  2 教師としてあなたはどのように学んでいくのだろうか?
  3 「学び続ける教師」としてあなたは何を大切にするのか?
■第2部 教師に期待されていること                       
5 教師の日常
  1 教職の業務はどういった内容なのか?
  2 教師の仕事の特徴はなんだろうか?
  3 教師はいつ学ぶのか?
6 教える教師の課題
  1 多様性の時代に知と教育をどう捉えるか?
  2 学習の多様性とは?
  3 学習環境をどのようにデザインするか?
7 キャリア教育をふまえた生徒指導の展開と教師
  1 教師は教科指導だけすれば十分なのか?
  2 社会で生き抜く力を身につけさせるために教師が行う指導とは?
  3 教師が児童生徒に寄り添うとはどういうことか?
8 教育格差に向き合う教員たち-教育の公正のための教職論
  1 教員格差とは何か―教育格差と教員の役割?
  2 〈しんどい学校〉とは―教育格差に向き合う教員たち?
  3 教育の公正をめざす教員の専門性とは何か?
9 Society 5.0における学校と教師
  1 ICTの導入により学校や子どもの学びはどのように変わるのか?
  2 これからの社会を生きる子どもに求められる情報活用能力とは?
  3 Society 5.0に向けて求められる教師の資質・能力や役割とは?
10 地域・保護者とコラボレートする教師
  1 学校で教育を行うのは教師だけか?
  2 身近なモノとヒトとが学びになるとは?
  3 誰とコラボレートするのか?
■第3部 理想の教育を実現するために                      
11 「教職に就く」ということの基本―教職の本質と組織のなかの教師
  1「教職に就く」ということは何を担うことを意味するのか?
  2 教職の信頼はどのように確立されているのか?
  3 教職にはどんな危険性があり,どのような学びが必要になるのか? 
12 教育実践の更新―反省的実践家としての教師
  1 「教育実践の更新」はいかに進められるのか?
  2 「教育実践の更新」の何がむずかしいのか?
  3 「教育実践の更新」においてほかの教師との協働がなぜ必要か?
13 問われる献身性と働き方の再構築
  1 教職の魅力と教員の献身性をどのように捉えるか?
  2 献身性をめぐる現代的課題とは?
  3 教員の「献身性」とその背後にあるものは何か?
14 教師による教育研究
  1 研究能力は教師に必要な専門的能力か?
  2 なぜ教師が教育研究をしなければならないのか?
  3 教師に期待される教育研究はどんなものだろうか?
15 未来に開かれた教師の仕事と発達
  1 教職は,国内外においていかなる職業として合意形成されているのか?
  2 教師はどのようなことを契機として発達を遂げていくのか?
  3 教師としての発達と力量形成を支え促していくためには,どのような条件・環境整備が必要なのか?
 おわりに―教師の言葉に学ぶ

執筆者紹介
[編著者]
山﨑 準二 学習院大学教授 [はじめに,第15章,おわりに]
紅林 伸幸 常葉大学教授 [はじめに,第2章,第14章]
[著者]
金子 真理子 東京東京学芸大学教授 [第1章]
栗原 崚 学習院大学助教 [第3章]
長谷川 哲也  岐阜大学准教授 [第4章]
川村 光 関西国際大学教授 [第5章]
羽野 ゆつ子 大阪成蹊大学教授 [第6章]
大島 真夫 東京理科大学准教授 [第7章]
中村 瑛仁 京都教育大学講師 [第8章]
酒井 郷平 常葉大学講師 [第9章]
望月 耕太 神奈川大学助教 [第10章]
髙谷 哲也 鹿児島大学准教授 [第11章]
三品 陽平 愛知県立芸術大学准教授 [第12章]
油布 佐和子 早稲田大学教授 [第13章]