書籍案内

児童文化としての動物園教育

―到津と上野にみる歴史・実践・未来―
原賀 いずみ 著        
A5判並製/192頁/ISBN978-4-910917-20-7/C3037  2026年2月28日刊行
定価2,420円[本体2,200円+税10%]            人言洞ウェブで購入

[著者]
原賀 いずみ  北九州インタープリテーション研究会
        豊の国海幸山幸ネット代表

内容紹介 
長きにわたり動物園教育に携ってきた著者の熱い想いが込められた渾身の書!
 本書では、日本社会における児童文化の意味と役割を探るために、広い視野から児童文化史の先行研究や資料・文献調査を行っています。さらに、上野動物園と到津遊園の歴史や実践を中心に据えて動物園と児童文化の関係史の先行研究や資料の文献調査、動物園での資料調査から戦前の動物園教育活動と児童文化運動との関係性を著者独自の視点から問い直し、次世代に引き継ぐこれからの動物園教育の可能性と未来を展望しています。
 幼少期から著者の身近にあった動物園について、その存在の意義を探究し続けて、戦前期から今日までの歴史(巻末に年表があります) と実践を教育者・社会活動実践家・研究者の立場から幅広く柔軟に捉えようとする着眼点は、これから未来の児童文化運動ならびに動物園教育に関わる多くの関係者にとって刮目の必読書としてお薦めします。

目 次
 刊行に寄せて
序 章 児童文化としての動物園教育を考える意義
 第1節 本書の課題
 第2節 動物園教育の問題点
 第3節 動物園における教育活動と教育的機能
 第4節 児童文化と動物園
 第5節 研究方法と研究の対象
 第6節 研究の構成
第1章 日本社会における児童文化の意味と役割
 第1節 課題の設定
 第2節 児童文化の領域と統一概念
 第3節 児童文化前史としての明治期のお伽運動
 第4節 児童博覧会という児童文化運動
 第5節 大正期の『赤い鳥』運動による児童文化運動
 第6節 昭和前期の児童文化運動と少国民文化運動
 第7節 戦後の民主主義的児童文化運動
 第8節 児童文化運動の変遷と領域や統一概念の意味
第2章 明治期から戦前期・戦中期までの動物園教育活動と児童文化運動
 第1節 課題の設定
 第2節 日本の動物園の発祥と博物館・博覧会の関係性
 第3節 児童博覧会と遊園地型動物園の関係性
 第4節 関西の公立動物園における児童文化運動
 第5節 マスメディアから生み出された動物園教育活動
 第6節 戦時下の動物園と児童文化運動
第3章 児童文化としての動物園教育活動の変遷―久留島武彦と到津林間学園を事例として
 第1節 課題の設定
 第2節 児童文化としての動物園教育
 第3節 久留島武彦と機関誌『お伽倶楽部』
 第4節 到津林間学園における教育活動の変遷
 第5節 到津林間学園の教育活動にみる環境教育の視点
 第6節 お伽倶楽部と到津林間学園の教育活動に対する評価
第4章 戦後の上野動物園を舞台にした児童文化運動と動物園教育活動
 第1節 課題の設定
 第2節 上野動物園の概要と研究の視点
 第3節 明治期から戦中期までの児童文化運動と上野動物園の関係性
 第4節 戦後の上野動物園と民主主義的児童文化運動
 第5節 上野サマースクールにおける動物園教育活動の分析
終 章 児童文化としての動物園の可能性
 第1節 各章の成果と振り返り
 第2節 上野サマースクールと到津林間学園の教育活動・教育内容の比較
 第3節 教育的機能の再評価と未来の児童文化構築のための概念図
 第4節 未来の動物園教育への展望と課題
〈年表〉動物園史と児童文化史の歴史的変遷

執筆者紹介
[著者]
原賀 いずみ 
博士(農学) 北九州市立大学大学院修士課程,東京農工大学大学院博士課程修了
北九州インタープリテーション研究会代表/豊の国海幸山幸ネット代表
到津の森公園市民ボランティア「森の仲間たち」環境教育グループメンバー
〈略歴〉
・北九州市小倉生まれ
・北九州市の特別支援学校教諭を経て,福岡県内の小学校,中学校,高等学校,短期大学,専門学校,福岡教育大学や西南学院大学の非常勤講師として,美術教育や環境教育を担当
・到津の森公園市民ボランティア「森の仲間たち」環境教育グループ及び北九州ESD協議会などで活動中
〈著書〉
『到津の森の詩~市民の森到津遊園が育んだ児童文化と環境教育』(北九州インタープリテーション研究会,2003)
〈絵本〉
『いとうづの森のなかまたち~カバのカバオとシロガシラトビのものがたり』(動物の森工房,1999)
『到津林間学園物語』(北九州インタープリテーション研究会,2018)
『ももたろうからのてがみ』(子どもの未来社,2019) など