水嶋英治・髙橋 修・山下治子 編著
【ミュージアムABCシリーズ】
B5判並製/168頁(口絵カラー8頁)/ISBN978-4-910917-02-3/C3337 2022年12月20日刊行
定価2,530円[本体2,300円+税10%] 人言洞ウェブで購入
[編著者]
水嶋英治 長崎歴史文化博物館館長/ 日本ミュージアム・マネージ
メント学会会長
髙橋 修 東京女子大学現代教養学部教授
山下治子 株式会社アム・プロモーション代表取締役
[著者]
可児光生 みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム館長
西川 開 文部科学省科学技術・学術政策研究所研究員
森田喜久男 淑徳大学人文学部教授
2023年施行「改正博物館法」対応
目 次
博物館の素朴な10の疑問
序 章 博物館・学芸員は何のために存在するか
1 博物館の原点は「感動力」
2 資料は「感動力」のエネルギー
3 「感動力」を発揮させるのが学芸員
第1章 博物館について何をどう学ぶか
1 博物館では何を調査研究しているのか
2 博物館に関する専門分野を学ぶには
3 博物館について本格的に調査研究するには
特論1 博物館を舞台にした漫画
1 博物館と漫画
2 博物館を扱った漫画
第2章 資料論
1 歴史博物館の基礎
2 収集とは何か―博物館のコレクション論
第3章 教育論
1 博物館の役割
2 モノと場を実感する
3 体験の長期的影響
4 「館キャラ」を博物館活動に活かそう―かわいいだけ? 怖くてもいい?
第4章 展示論
1 まずは博物館の広報に注目
2 展示の種類にみる博物館の工夫
3 展示の方法にみる博物館の工夫
4 常設展示設計と企画展示設計の流れ
特論2 博物館学を学ぶために―必読書10選
1 「博物館の今とは何かを知る」ための基本文献
2 「博物館とは何かを知る」ための基本文献
3 「博物館の歴史と未来像は何かを知る」ための基本文献
第5章 経営論
1 歴史系博物館のマネージメント
2 博物館の人的資源
3 資料管理とコレクション・マネージメント
4 博物館資料化のプロセス
5 博物館をとりまく法体系
6 博物館法に基づいた制度的分類
第6章 調査研究論
1 博物館ならではの調査研究の特質とは
2 博物館ならではの調査研究体制とは
3 博物館ならではの調査研究成果の発表方法とは
第7章 資料保存論
1 保存の意義
2 保存哲学
3 歴史資料・歴史遺産の現地保存の課題
4 新しい形態の記録保存=デジタル保存
5 保存の環境管理と劣化要因
第8章 情報メディア論
1 博物館情報の特質
2 博物館の情報発信メディア
第9章 博物館史
1 日本の博物館をつくった人々
2 現代日本の博物館の理想を求めて
特論3 歴史資料と宗教遺品
第10章 建築論
1 博物館の世代論
2 第五世代の博物館像
3 博物館リニューアルの時代
4 来館者の流れと資料の流れ
5 博物館建築設計の流れ
第11章 1館まるごと事例研究
1 長崎歴史文化博物館
2 島根県立古代出雲歴史博物館
第12章 博物館での実習内容
1 館園実習とは何か
2 館園実習の内容とは
3 館園実習受講にあたっての注意点とは
特論4 人生設計と博物館キャリア設計のために
1 学芸員として就職するためには
2 博物館の現場・事業にかかわるためには
第13章 博物館定義の変遷と博物館学の歴史
1 博物館定義の変遷
2 博物館学の定義
3 博物館学の歴史
4 混乱しやすい「博物館学」という用語
巻末資料
内容紹介
『ビジュアル博物館学Basic』は、興味関心を喚起するビジュアルな写真や図表、側注、特論などを豊富に掲載して、これまでにない「わかりやすい/見やすい/とっつきやすい」,学芸員やミュージアム関連就職を目指す学生のための教科書です。
「博物館はなぜ必要なのか?」という素朴な疑問から始まり、その意義と役割、学芸員の存在意義・専門性・仕事、学芸員資格課程の履修科目、事例研究、博物館実習など博物館学の概論及び基礎・基本を身につけることができます。
編著者
水嶋英治 [2章1節・5・7章・8章2節・10・11章1節・13章・特論3]…長崎歴史文化博物館館長,日本ミュージアム・マネージメント学会会長,前筑波大学教授。博士(世界遺産学)。主な著書『Dictionnaire de museologie』編著,ICOM, ARMAND COLIN社(2022)ほか多数。訳書に『博物館学・美術館学・文化遺産学基礎概念事典』東京堂出版(2022)
髙橋 修[10の疑問・序・1・4・6・9・12章・特論1・2・4]…東京女子大学現代教養学部教授。専門は博物館学・日本近世史。近著は『現代語版 勤王侠客黒駒勝蔵』敬文舎(2021),「特撮映画技師 松井勇伝―日本映画界最初期の特撮技術の開拓者(一)(二・完)」『東京女子大学紀要「論集」』69-1・2(2018・19)など
山下治子[3章4節]…㈱アム・プロモーション代表取締役。ミュージアム専門誌『ミュゼ』元編集長。著書『ミュージアムショップに行こう―そのジャーナリスティック紀行』ミュゼ(2000)
著 者
可児光生[2章2節・3章1・2・3節]…みのかも文化の森/美濃加茂市民ミュージアム館長。名古屋大学文学部(国史学)卒業。岐阜大学,南山大学,青山学院大学など非常勤講師を経て現職。共著に『博物館教育論』講談社(2015),『47都道府県・博物館百科』丸善出版(2022),『博物館とコレクション管理』雄山閣(2022)など
西川 開[8章1節]…文部科学省科学技術・学術政策研究所研究員。デジタルアーカイブ,知識コモンズ,科学計量学の研究に従事。著書『知識インフラの再設計』〈デジタルアーカイブ・ベーシックス〉共著,勉誠出版(2022),『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』共著,文学通信(2021)
森田喜久男[11章2節]…淑徳大学人文学部歴史学科教授。島根県立古代出雲歴史博物館を経て現職。専攻は,日本古代史・神話学・博物館学。著書・論文『能登・加賀立国と地域社会』同成社(2021),「博物館実習における学内実習についての提言」『淑徳大学人文学部研究論集』4(2019),「学芸員の情報発信」『歴史評論』822(2018)など
シリーズ紹介
学芸員資格課程のテキスト「ミュージアムABCシリーズ〈全3巻〉」は、B5判の大判を生かして本文記述を補完するビジュアルな写真や図表、側注を多く掲載し、博物館学に関する基礎的な知識をわかりやすく解説しています。
『ビジュアル博物館学Basic』は本シリーズの基幹となる基礎編と位置づけ、歴史系博物館の事例を中心にしながら,学芸員をはじめ博物館(ミュージアム)に関わる全ての人が身につけておくべき基礎・基本(ベーシック)となる履修科目に対応する全13章で構成し、系統的に博物館学を学ぶことができます。
順次刊行予定の続巻として、『ビジュアル博物館学Art』は美術館やアート関連の事例を中心に美術館系の学芸員を目指す学生、『ビジュアル博物館学Curation』は科学館や水族館、動物園等の事例を中心に自然科学系・技術館系の学芸員を目指す学生に向けに内容構成となっています。